兵庫県西宮市に本社を構えるセレンディクスは、2人世帯向け3Dプリンター住宅「serendix50」の販売第1号棟を石川県珠洲市にて竣工したと発表しました。この住宅は延床面積50㎡の平屋建てで、建築基準法に適合する壁式鉄筋コンクリート構造を採用しています。価格は本体税別550万円で、基礎工事や内装工事などは別途費用となります。
特徴的なデザインと内装への配慮
外観デザインは3Dプリンター特有の積層痕を活かした独特の仕上がりです。特殊な耐候性塗料を使用することで美観を保ちつつ、施工コストを抑えています。内装は施主である地元企業「三百苅管工」が設計・施工を担当。被災者が一般的な住宅での生活をイメージしやすいよう、フローリングや壁紙が採用され、快適性が重視されています。1LDKの間取りには、独立したキッチン、トイレ、バスルームが完備され、収納スペースや広い窓も設けられています。
施工効率化と新技術の採用
施工では基礎部分にも3Dプリンターを活用し、型枠を一体化することで従来の手作業を削減しました。部材は群馬、愛知、熊本の工場で製造され、現地で迅速に組み立てられました。これにより、施工工程の自動化とコスト削減が実現しました。
復興支援としての活用
完成した住宅はホテル「notonowa」の1棟貸し客室として運用され、地元住民向けに無料宿泊体験が提供されるほか、一般利用者向けの宿泊施設としても開放されます。金曜日には被災者が利用できる無料宿泊体験、日曜日には見学会が開催され、広く3Dプリンター住宅の実用性を知ってもらう機会を設けています。
被災地支援の新たな選択肢として
セレンディクスのCOO、飯田國大氏は、3Dプリンター住宅が高騰する住宅建設費用に対する希望となることを強調し、今後も施工スピードの向上やコスト削減を進める意向を示しました。珠洲市の住民や関係者からは「普通の住宅や」という好意的な評価が寄せられており、地域に根差した支援モデルとして注目されています。
新たな復興住宅の可能性
能登半島での竣工は、3Dプリンター住宅が被災地の復興に貢献できる可能性を示しました。低コストかつ短期間での建設が可能な「serendix50」は、災害後の住宅再建の現実的な選択肢として、今後の普及が期待されています。
